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 政府は31日、新型コロナウイルスの急速な感染拡大に対応するため、新たに49カ国・地域の感染症危険情報を4段階で2番目に高い「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げた。対象は世界全域の73カ国・地域へと大幅に拡大した。近く、国家安全保障会議(NSC)緊急事態大臣会合を開き、対象地域からの外国人の入国拒否を決定する。

 3月下旬に陽性が確認された4人に1人が海外からの入国者だったことなどを考慮した。対象地域に2週間以内に滞在した外国人は特段の事情がない限り入国できなくなる。大幅に増えた対象地域に中長期で滞在している多くの日本人が帰国することが見込まれる。帰国する日本人は、全員が感染の有無を確かめるPCR検査の対象となる。

 政府は全世界のそれ以外の地域に出ている感染症危険情報「レベル1」(十分注意)も、「レベル2」(不要不急の渡航をやめるよう呼びかけ)に引き上げた。近く、NSC緊急事態大臣会合で入国制限の対象にする。日本人も含め、自宅やホテルなど検疫所長の指定する場所で2週間待機し、公共交通機関を利用しないよう要請する。

 外務省は1月21日に初めて、新型コロナウイルスに関連した感染症危険情報「レベル1」を中国全土に出した。その後、1万人あたりの感染者数や移動制限の有無などを踏まえて段階的に引き上げ。「レベル3」の対象は中韓の一部地域や欧州の23カ国、イランになった。だが、世界での感染拡大は収まらず、アジア、大洋州、北米、中南米、中東、アフリカなど対象は大幅に広がった。

 今後は急増するPCR検査などの体制整備が追いつくかが課題だ。帰国する日本人は全員、PCR検査を受け、結果が出るまで空港内や検疫所が指定する施設で待機する。陰性でも、2週間は自宅やホテルでの待機が要請される。だが、これまでには検査結果の確定まで待機を要請されていたのに移動し、あとから陽性と判明したケースもあった。

 官邸幹部は帰国者を「何千人も」と予想。政府は検疫に対応する職員や検査が済んでいない旅客の収容施設の確保を急いでいる。羽田空港や成田空港で検査が追いつかなければ、対象国からの帰国便を別の空港に移すことも検討している。(太田成美、竹下由佳)