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 富野由悠季監督「去年の秋、ニューヨークのイベントに呼ばれた時、舞台袖の暗がりで待つ僕に30代くらいの女性スタッフが『sailing fly~』と小さく歌いかけてくれた。『イデオン』の挿入歌『セーリング・フライ』です。ちょっとキレイな女性でさ。男冥利(みょうり)に尽きるでしょ? 『井荻麟』をやっててよかった!」

 富野さんが「井荻麟(いおぎ・りん)」の筆名で自作のアニメの主題歌や挿入歌の作詞をしていることは有名ですが、そのことについてまとめて語る機会は珍しいです。本欄で何度も紹介してきた展覧会「富野由悠季の世界」開催中の島根県立石見美術館で2月24日、トークショー&ライブ「井荻麟の世界」を取材してきました。トークの締めくくりで、聞き手のアニメ評論家・藤津亮太さんが「井荻麟の代表作は?」と質問すると、「代表作と言っても皆さんが知らない曲です。いい曲なんだとうぬぼれていい、そう教えてくれた瞬間があったんです」と言って、冒頭に掲げた体験を披露してくれました。映画のワンシーンのようですね。

 「機動戦士ガンダム」「伝説巨神イデオン」など数多くの富野作品を作り続けてきたスタジオ「サンライズ」の最寄り駅が西武新宿線・上井草駅。そのお隣の駅が井荻です。「井荻の隣だからというちゃちなネーミングです。『隣』じゃみっともないから麒麟(きりん)の麟にしたというだけ。東映動画も虫プロもあの(沿線の)あたりから生まれて『アニメ村』ができた。そんな自分の本籍地を忘れたくないという思いを込めて、この名前にしました」

 その「井荻麟」の原点は、少年…

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