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 新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、安倍晋三首相は1日、政府対策本部の会合で、換気が悪く、人が密集するような空間に集まることを避けるよう国民に求めた。専門家による調査で、スポーツジムや屋形船などで小規模な患者の集団(クラスター)が発生し、1人が12人に感染させた例があったという。

 厚生労働省によると、2月26日までに明らかになった国内の感染者110人の濃厚接触者らを調べた結果、屋形船での集団発生では1人が12人に、スポーツジムの事例では1人が9人に感染を広げていたことがわかった。政府は、密閉空間など換気が悪く、人が密に集まって過ごすような場所が集団感染の共通点と判断。こうした場所を避けるよう国民に呼びかけた。一方、感染者の約8割は誰にも感染させていなかったという。

 また、イベントの大小にかかわらず、開催の必要性について検討するよう要請。開催する場合は、風通しの悪い空間や、人が至近距離で会話する環境をなるべくつくらない実施方法の検討を求めた。

 イベントや集まりに対する政府の要請は段階的に強まっている。政府が25日に公表した基本方針では、主催者に開催の必要性の検討を求めたものの、「全国一律の自粛要請ではない」としていた。だが翌26日には一転、大規模な文化イベントなどを2週間、中止か延期、縮小するよう求めた。

 新型コロナウイルスは、感染者のせきやくしゃみのしぶきを吸い込む飛沫(ひまつ)感染や、ウイルスが付いた手で口や鼻を触ることによる接触感染でうつる。潜伏期間が1~14日ほどと、インフルエンザの1~3日に対して長く、発症前でも感染を広げる恐れがある。発症後もしばらくは症状がかぜと同じで気づきにくい。

 こうしたことから、若い人を中心に、本人が気づかないまま感染を拡大させる事態が懸念されている。中国でも、湖北省の女性が南京市で家族と会食し、結果的に10人に感染を広げた事例が報告されている。

 安倍首相はまた、政府がマスクをメーカーから買い取り、感染者が増えている北海道で配る方針を明らかにした。

集団感染が起こった場所や状況

・スポーツジム

・屋形船

・ビュッフェスタイルの会食

・雀荘(じゃんそう)

・スキーのゲストハウス

・密閉された仮設テント

集団感染の共通点

・換気が悪い

・人が密に集まって過ごすような空間

・不特定多数が接触するおそれが高い場所