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 刑務所を出所した人が仕事を見つけられず、犯罪を繰り返す。そうした再犯の流れを断ち切ろうと、刑務所や少年院を出所した人を企業が積極的に雇用する動きが道内で広がりだした。企業同士が集まり、出所者の雇用について相談し合う場も生まれている。(原田達矢)

 2月5日、再犯防止を目指す「職親(しょくしん)プロジェクト」のシンポジウムが札幌市内で開かれた。出所者の雇用に力を入れる北洋建設(札幌市東区)の小沢輝真社長(45)は、道内の企業経営者らに語った。「(出所者の)9割5分は辞めますが、まず入れてみます」

 シンポジウムの後には経営者同士が雇用の方法や悩みを話し合った。

 職親プロジェクトは、日本財団(東京都港区)が主催し、2013年に始まった。企業が協力して刑務所や少年院を出た人の積極的な受け入れを目指す。全国で166社が参加し、これまでに257人を採用してきた。企業間の意見交換会やインターンシップ、職場定着のためのコミュニケーション訓練などを行う。

 元々、道内では北洋建設と運送業のドリームジャパン(帯広市)の2社が参加していた。この2社は、交流のある企業数社から、人材不足も背景に出所者を雇用する機会を求められた。このため、これらを含む27社を参加企業として推薦した。これが認められ、2月には小沢社長を代表として計29社で北海道ブロックを立ち上げた。

 飲食や農業など業種も広がった。黒毛和牛の繁殖を手がける「池田の森牧場」(池田町)は出所者の受け入れを広げようと参加した。戸田好浩社長は「牛を扱う自然の環境は更生に適しているはず」と話す。

 日本財団によると、今後は道内でも意見交換会を開く予定。将来的には刑務所内での合同企業説明会も考えているという。

 法務省の「犯罪白書」によると、2018年の刑法犯の検挙人数のうち再犯者の割合は48・8%と平成以降で最も高く、72・1%が無職だった。北海道でも45・5%で、そのうち無職者は69・2%。同省法務総合研究所研究部の担当者は「再犯者数は年々減っているが、初犯者と比べると減りが遅い」と分析する。

 小沢社長は「さらに参加企業を増やすには今の支援では足りない。協力したくてもできない企業が出てくる」と話す。法務省は「就労・職場定着奨励金」として雇用した企業に1人当たり半年間、月8万円を支給する。ただ、日本財団によると、雇用した出所者のうち、現在も勤め続けているのは約33%にとどまる。

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