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 人は生まれたときの身体の特徴によって男と女に分かれ、異性を愛するのが「普通」だ――。そんな価値観は性的少数者を抑えつけ、苦しめてきた。LGBTという言葉が知られるようになった今、その圧力は減ったのか。

拡大する写真・図版ゲイ雑誌「薔薇族」を手にする元編集長の伊藤文学さん=2020年1月、東京都内、岩井建樹撮影

ゲイの「孤独」と薔薇族

 戦後間もない1949(昭和24)年、同性に恋する少年を描いた三島由紀夫の『仮面の告白』が出版された。

 主人公の「私」は三島と同じ25(大正14)年生まれ。幼少期に兵士の汗の臭いに強くひかれ、中学では粗野でたくましい年上の友人に恋し、裸を見たいと願う。自らの情動を「常規(じょうき)を逸した欲望」と考え「異様な不安」を感じる。

拡大する写真・図版三島由紀夫=1948年

 「70年代でも同性愛者は『精神病者』『変態』と世間も本人もとらえていた。まして主人公は戦前生まれ。孤独だったろう」。ゲイ雑誌「薔薇(ばら)族」元編集長、伊藤文学さん(87)は推し量る。

 戦後、同性愛者は会員制の雑誌など目立たぬ形で交流していた。だから71年に「薔薇族」が創刊され、書店に並んだのは画期的だった。文通欄は貴重な出会いの手段に。寄せられる手紙には同性を愛する困惑や罪悪感がつづられていた。

 「ゲイの孤独を癒やした雑誌だ…

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