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 田畑に囲まれて点在する集落。熊本県山鹿市の東の郊外に、かつて稲田村と呼んだ地域がある。先月16日、110年の歴史を持つ稲田小学校の閉校記念式典が営まれた。

 校旗が中嶋憲正市長に返納され、集まった保護者と地域住民ら約600人が児童と共に校歌を斉唱。学校は3月末で閉校し、近隣の中富(なかどみ)、来民(くたみ)の2小学校と統合して新設の「鹿本小学校」が新年度に生まれる。

 「平成の大合併」で2005年、旧1市4町が一つになり現在の山鹿市ができた後、原則として旧町ごとに小学校が1校に集約されてきた。少子化と過疎化で児童数が減り、学年をまたいでクラス編成する複式学級も生じる中、「適正な規模で児童が切磋琢磨(せっさたくま)できる環境をつくり、複式学級を解消する」(市教委学校規模適正化推進室)ためだ。

 市教委は、学識経験者や保護者らでつくる協議会を設置し、統廃合の計画を策定。さらに対象校の地域ごとに住民、保護者、教員でつくる準備委員会を設けて詳細を議論し、合意形成を図った。12年度に20校あった小学校は13年度から統廃合が進み、今回の統合で10校と半減する。

 1909(明治42)年に現在地に創立された稲田小の卒業生約5500人には、現職知事の蒲島郁夫氏も含まれる。児童の保護者が卒業生という家族も多い。閉校式典では新設校への期待の一方、「閉校は寂しい」という声が聞かれた。長女と次女が通う母親(32)は「私の頃も1クラス23人で、今は16人くらい。だいぶ少なくなったけれど、その分、先生の目がよく届いたと思います」。次女と長男が通う別の母親(30)は「学年を超えてまとまりがあり、アットホームな学校でした。山登りや稲刈りも体験できる。とても悲しい」。

 新設校は、稲田小から約2キロ離れた市街地にある来民小の現在地に置かれる。1年生の長女が通う女性会社員(35)は、これまで徒歩10分だった通学時間が新設校だと40分ほどかかりそうだという。「遠くなって心配です」。徒歩では通えず、稲田小校区の半分強の54人は新年度からスクールバスを使う。

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