新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、電子情報通信学会や情報処理学会など国内のIT関連の学生や若手研究者らが合同で開く年次集会が2日、オンラインで始まった。これまでは温泉地で2泊3日の合宿をする形で開いてきたが、今年は方針を転換。学会や集会の中止が各地で相次ぐなか、ITのノウハウを他の学会にも広げたいとしている。

拡大する写真・図版年次集会のトラブル対応をする支援センター=2日、東京都千代田区

 この集会は例年、研究者が温泉に集まって深夜まで語り合う「濃厚接触」が特徴だった。今年も約600人規模で予定していたが、感染が広がる中で開催を断念。ITの技術を生かし、オンラインで開催することにした。

拡大する写真・図版年次集会への参加人数が表示されたディスプレー=2日、東京都千代田区

 課題は、数百人規模のオンライン会議が技術的に可能かどうかだった。参加した人が一度にしゃべってしまうと混乱するため、発表者ら以外の声を一斉に止められる機能があるサービスを選んだ。初日の2日は全体会合や10の分科会をオンラインで開催、約300人が自宅などから参加した。

 支援センターが設けられた東京都千代田区の国立情報学研究所では2日、学生らが発表スライドが画面に表示されるかや、質問や議論に問題がないかなどをチェックしていた。大きなトラブルはなかったといい、日本データベース学会長の喜連川優所長は「こういう時だからこそ、ITで何ができるかを考える好機になった。今回得たノウハウを他の学会にも伝えていきたい」と話した。

 新型コロナウイルスの影響で日本胃癌(がん)学会、電気学会、日本物理学会、日本循環器学会などの中止・延期が決まっている。情報処理学会は一部をオンラインで開催し、日本生態学会は一部をライブ配信することにしている。(勝田敏彦)