拡大する写真・図版転倒後、必死で電話機まではっていき、息子とケアマネジャーに連絡した

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 自宅で老老介護をしていた妻が家の中で転んだだけで、夫婦2人の生活は先行きが見えなくなってしまった。認知症の夫は施設から入居を疎まれ、4カ月の間に3回の転居を余儀なくされる事態に。夫が落ち着ける場所は、今も見つかっていない。なぜ、こんな事態に直面してしまうのか。

 兵庫県の女性(76)は昨年まで、認知症の夫(85)を介護しながら、夫婦2人暮らしを続けていた。

 夫が認知症と診断されたのは5年前。最初の数年は穏やかに過ごしたが、昨年夏から一気に症状が進行した。

 ある雨の日の晩、女性が風呂から出ると、夫がいない。外を探すと、夫は裸足で傘も差さずに「黒いモノが攻めてくる」と立ちすくんでいた。

 夜中は2回、寝たまま排尿してしまう夫のぬれたパジャマを替えるのが日課に。日中も家の中を動き回り、5分と目が離せなくなった。

 それでも週4日、デイサービスを使って、何とか自宅での生活を成り立たせてきた。

 昨年11月9日。そんな生活が突如破綻(はたん)した。

 午後3時過ぎ。洗濯物を取り込んだ女性が室内で転倒。右肩を強く打ち、激痛で動けなくなった。夫を1人残して救急車も呼べない。電話機まではっていき、大阪府に住む次男(51)と夫のケアマネジャーに連絡した。2人が到着し、119番通報できたのは午後6時ごろ。救急隊員から「なんで今ごろ電話したんや」と言われた。

 数日後、3時間に及ぶ手術でボルト2本を肩に入れた。約3カ月の加療が必要な大けがだった。

 だが、困難はけがだけではなかった。

 夫の面倒を見られる人が誰もいなくなった。ケアマネジャーは女性がケガした当日から、緊急で短期入所ができる施設を探して片っ端から電話をかけた。

 しかし、「満床で無理」「認知…

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