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 東京電力福島第一原発事故で唯一、全町避難が続く福島県双葉町について、国は4日午前0時、放射線量が高かった「帰還困難区域」の一部の避難指示を解除した。14日に全線再開するJR常磐線の駅を使えるようにするためで、帰還困難区域では初の解除となる。

 解除されたのは、双葉駅や駅前広場など0・19平方キロメートル。帰還困難区域のうち、人が住めるように除染される「特定復興再生拠点区域」の一部だ。2022年春には拠点区域全体も解除され、住民が戻れるようになる予定だ。

 放射線量が比較的低い「避難指示解除準備区域」の浜野・両竹(もろたけ)地区(2・2平方キロメートル)の避難指示も解除された。工業団地などが広がるが、水道などの生活インフラはまだ整っていない。

 町民約5900人は今も県内外に避難したままだが、伊沢史朗町長は「雇用を生み、地域に人の流れをつくることで将来的な住民の帰還につなげたい」と語る。ただ、昨年秋の町の調査では、帰還を望んだ住民は1割にとどまった。

 事故では福島県の11市町村に国の避難指示が出され、うち8町村が全域で避難した。今回の解除で全域で避難指示が出ている自治体はなくなった。

 常磐線再開に向け、5日に大野駅周辺(大熊町)、10日には夜ノ森駅周辺(富岡町)で、いずれも帰還困難区域の避難指示が解除される。26日には近くのJヴィレッジ(楢葉町、広野町)から東京五輪の聖火リレーがスタートする。(古庄暢)