車上運動員への報酬過払い疑惑が、秘書らの逮捕に発展した。昨年7月の参院選をめぐる河井案里参院議員(自民、広島選挙区)陣営の公職選挙法違反事件。議員本人の関与はあったのか。地元の政界関係者らからも、真相解明を望む声が相次いでいる。
3日午前6時40分過ぎ、広島市安佐南区の自宅から出てきた男が、無言で歩き出した。マスク姿で黒いスーツに革靴、手にはビジネスバッグ。10人ほどの報道陣が続く。「どこへ向かうんですか」「県民、国民に言いたいことは」。しかし、問いかけに一切答えることなく、約2時間20分、10キロ余りを歩いて広島地検に入った。
男は、公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕された立道浩容疑者(54)。河井案里参院議員=自民、広島選挙区=の公設第2秘書だ。昨年7月の参院選では、案里氏や車上運動員らが乗る選挙カーの走行ルート作りなどを担当し、参院選後に公設秘書に就いた。
疑惑の浮上後、地検は関係者…