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 犬猿の仲で知られる「政敵」が国会論戦で意気投合――? 3日の参院予算委員会で共産党・小池晃書記局長と安倍晋三首相の見解が一致し、与野党議員たちから満場の拍手を浴びる一幕があった。普段は政権の問題点や首相の政治姿勢を厳しく追及する小池氏も「ちょっと感動した」とほおを緩めた。

 この日最後の質問者として登場した小池氏は、政府の新型コロナウイルス対策の問題点を追及。首相の答弁を「言葉が足りない」などと批判した。ここまでは、厳しく対立する自民VS.共産という「いつもの光景」だった。

 その後、異例の展開になる。質問の持ち時間が少なくなった小池氏は、ヒール付きの靴など女性が職場で決まった服装を強いられている問題に関して話題を移した。小池氏は首相に向かって、「女性だけに苦痛を強いる服装規定はなくしていくという政治の決意を語ってほしい」と投げかけた。

 これに対し、首相は「男性と女性が同じ仕事をしているにもかからず、女性に服装で苦痛を強いることはあってはならないと明確に申し上げたい」と応じた。小池氏は「大変勇気づけられる答弁だ」と評価。「安倍首相との質疑でこういう最後になるのはあまり経験がない。前向きに進めるために力を合わせたい」と質問を締めくくると、委員会室にいた与野党議員から大きな笑いと拍手が起こった。

 予算委後、小池氏は朝日新聞の取材に「質疑の最後があんな大きな拍手で沸いたのは、議員生活で初めて。ちょっと感動した」。参院自民幹部も「参院の独自性が感じられるいい質疑だった」と語った。

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 第201回通常国会。国会や政党など政治の現場での様子を「政治ひとコマ」としてお届けします。(鬼原民幸)