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 安倍晋三首相(自民党総裁)は4日、新型コロナウイルス感染症対応の法整備への協力を求めるため、立憲民主など野党5党の党首と会談する。政府与党は、旧民主党政権でつくられた新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象疾病に新型コロナを加える方向で野党の協力を得て、来週中にも成立させたい考えだ。

 現行の特措法では、首相が「緊急事態」を宣言すれば、都道府県知事は外出の自粛や学校やイベント会場の使用制限を求めることなどができる。菅義偉官房長官は3日の記者会見で、「常に最悪の事態を想定し、あらかじめ備えることが大事だ」と話した。

 政府与党内には早期成立のために議員立法とする考えがあったが、野党側の反発などを受けて政府が改正案を提出する方針となった。首相は成立後、緊急事態宣言を出すことを視野に入れている。宣言が出れば国民生活の制約につながる可能性もあり、「行動制限や権利制限をするための法律は、いま必要ないのではないか」(共産党・田村智子政策委員長)などの慎重論もある。

 政府与党側が法案成立への協力を求めて野党党首と会談するのは、消費増税関連法の成立で民主、自民、公明の3党首が合意した2012年8月や、熊本地震の対応に特化した補正予算の編成で安倍首相が民進党代表(当時)らと会談した16年4月の例などがあるが、異例のこと。自民党の森山裕国会対策委員長が3日、立憲民主党の安住淳国対委員長との会談で、4日の参院予算委員会後の党首会談を要請。立憲のほか、国民民主、維新、共産、社民が会談に応じる。

 感染症対応では、首相が全国的なスポーツ・文化イベントの自粛や小中高校などの臨時休校を要請。法的根拠はなかった。

 首相は2月27日の政府の対策本部で、感染拡大防止や、経済など国民生活への悪影響を抑えるための法整備を進めるよう閣僚らに指示。3月3日の参院予算委員会では「(新型インフル)特措法と同等の措置を講じることが可能となる立法措置を早急に進める。野党の特段の協力をお願いしたい」と述べた。