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 米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に及ぼす悪影響を踏まえ、政策金利の誘導目標を「年1・50~1・75%」から0・50%幅引き下げ、「年1・00~1・25%」とすることを決めた。米金融市場の乱調や世界の製品供給網の混乱などで経済への打撃が広がりつつあり、3月中旬に予定していた定例の連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずに、異例の緊急利下げに踏み切った。

 FRBは3日に臨時のFOMCを開催。緊急利下げは、投票権のある参加者10人の全員一致で決めた。声明では「米経済の基礎的条件は引き続き強い。しかし、コロナウイルスによるリスクが進行中だ」と強調した。

 パウエル議長は2月末の声明で、「適切な行動をとる」という文言で、近く柔軟に利下げに踏み切るとのシグナルを市場に送っていた。

 FRBは昨年7~10月のFOMCで3会合連続で利下げしたが、昨年末の時点では、2020年中は政策金利を据え置く想定を基本に据えていた。今回、従来の金利操作の基本だった「0・25%幅」のペースであれば2回分に当たる利下げに踏み切ったことで、大きく緩和方向にかじを切ったことになる。

 パウエル議長は3日、記者会見を開き、今回の決定の理由について「米経済の見通しに対するリスクが大きく変化した、と判断した」と説明。早急な金融緩和を通じて資金繰りへの不安感を解消できるとしたうえで、「家計や企業の自信を確かなものにすることができる」と強調した。(ワシントン=青山直篤)