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 新型コロナウイルスの感染が広がっているイタリアのコンテ首相は3日、感染予防のための法令を出すことを決めた。イタリア人にとって習慣となっている、親しい人と交わすハグやキスの「禁止」も盛り込まれる。法令は全国で適用されるが、ウイルス対策とはいえ日常のふるまいまで変えられるのか、効果は未知数だ。

 同国メディアによると、法令では接触やくしゃみのしぶきなどによって感染が広がるのを防ぐため、キスやハグ、握手をしないよう定める。人と会う際には1メートル以上の距離を置き、75歳以上の高齢者や病気のある65歳以上の人は、不特定多数の人が集まる場所には行かずに自宅にいるように求めている。スポーツイベントを無観客で行うほか、イベントや会議、スポーツの練習に参加することも控えるべきだとしている。

 イタリア人にとって、親しい人と会った際に男女を問わず抱き合ってほおにキスをすることは、日常的な行為だ。マスクも、「医療従事者か病気にかかっている人がするもの」という意識が強く、感染者が集中している地域以外のローマやミラノなどでは、着けている人はごく少ない。ローマ市民からは「実態を見ていないイタリア国外からの圧力に負けて、ばかげた対策をアピールしている」といった不満の声も出ている。

 イタリアでは、同国北部を中心に感染が広がっており、2日午後6時(日本時間3日午前2時)現在の感染者数は2502人。79人が死亡した一方、160人がすでに回復した。(ローマ=河原田慎一)