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 特許権などを扱う国際機関、世界知的所有権機関(WIPO(ワイポ)、本部スイス・ジュネーブ)で4日、次期事務局長の選挙があり、中国が擁立した現事務次長の王彬穎氏が大差で敗れ、米国が支持したシンガポール特許庁長官のダレン・タン氏が当選した。

 知的所有権の扱いは米中摩擦でも火種となっており、米国は中国による知的財産の窃取を理由に王氏の当選阻止を訴えていた。

 選挙はWIPOの調整委員会で83カ国が投票し、決選投票でタン氏が55票、王氏は28票だった。米ジュネーブ国際機関代表部のアンドリュー・ブレンバーグ大使は「今日の圧倒的な票差は、知的所有権を守ることの重要さを明確に示したと思う」と述べた。

 WIPOは15ある国連専門機関の一つで、国際協力による知的所有権の保護を役割とし、条約・協定を管理する。経済大国の中国は企業の特許出願が多く、存在感を強めていた。

 中国は国連食糧農業機関(FAO)など四つの国連専門機関トップを手中にしており、その地位を自国のために利用しているとの批判も浴びていた。

 中国のジュネーブ国際機関代表部の陳旭大使は選挙終了後、「(立候補そのものが)中国が国際社会へさらに貢献する用意があることを強く示した」と述べた。

 タン氏は5月のWIPO総会で正式に任命され、10月に就任する。任期は6年。(ジュネーブ=吉武祐)

中国への警戒「今さら」

 WIPOの次期事務局長として、日本は昨年10月、夏目健一郎WIPO上級部長=特許庁出身=の擁立を決定。梶山弘志経済産業相は自身が指揮をとる選対本部を立ち上げ、各国からの支持獲得に意欲を示していた。

 しかし2月中旬に撤退を発表。…

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