拡大する写真・図版昨年の優秀女子選手に選ばれ、表彰式に振り袖姿で登場。旋回方法の「モンキーターン」を披露してくれた=2月4日、東京都港区三田、江口和貴撮影

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 昨年、史上最年少で賞金女王(獲得額5683万円)に輝いたボートレーサー(競艇選手)の大山千広さん(24)はデビュー5年目。男性を合わせた総合ランキング(総計約1600人)でも30位とめざましい活躍でした。そんな快進撃にも本人は決して浮ついたところはありません。「やっとスタートラインに立てたばかり。目標はもっと高いところにある」――。強さの秘密に迫りました。

はじめは猛反対

 最初に注目されたのは、ボートレース界初の「母娘レーサー」としてだった。母・博美さん(54)は2018年に引退するまでの31年間で865勝を挙げたレーサー。15年8月に初めて同じレースに出場した。初白星は16年5月、母とともに走ったレースだった。

 母は一人娘を産んでから半年でレースに復帰。小学生の頃から母子家庭になったが、月の半分以上は母が不在で、祖父母に預けられて育った。寂しかったが、「男性に勝つお母さんはかっこよくて、自慢だった」。同じ職業を志すのは自然なことだった。

拡大する写真・図版1歳の誕生日。母・博美さんと=本人提供

 中学3年の時、学校での三者面談で「レーサーになりたい」と初めて口にした。母は猛反対した。「何にも熱くなったことがない子。厳しい世界は絶対無理だと思った」。運動能力はごく人並みで、犬と遊ぶのが何より好きなマイペースな少女だった。

 だが決心は固かった。高校では陸上の7種競技に打ち込んで心身を鍛え、42倍の難関を突破してレーサーの養成所に入学。あまりの厳しさに「帰りたい」と電話で母に泣きついたのは最初だけだった。2カ月ほどで初めてボートに乗ると、一気に勝負の楽しさに目覚めた。2位の好成績で卒業した。

拡大する写真・図版高校2年の頃、陸上部の仲間たちと大山さん(中央)

目標はさらに高く

 ボートレースは男女が一緒に競う。約1600人のレーサーのうち女性が約14%と、競馬など他の公営ギャンブルと比べて女性の比率が高い。勝負を左右するのはスタートやターンの精度や瞬時の判断力、モーターやプロペラを整備する技術。男女の体力差はほとんど影響しないといわれる。

 それでも70年近い歴史の中で、最高峰のレース、SG(スペシャルグレード)を制した女性はいない。目標はもちろんSG優勝。

 「勝てたらすごくかっこいいだろうなとわくわくする」

 昨年5月、初めてSGの舞台に立った。先輩レーサーたちとの差を思い知らされた。「すでに技術も経験も十分ある人たちが、私以上に、もっと、勝ちたいと思っている。追いつくのは途方もないことだなと思った」

 「自分は負けず嫌いではない」という。「人に勝ちたいんじゃない。強くなりたいだけ」。目の前の勝負に一喜一憂せず、高みを目指す。母が「勝負の世界に向かない」と心配したマイペースな性格は、強みに化けた。

拡大する写真・図版ボートレース戸田でのレース前。水面での試運転の後、ボートを引き上げ、モーターの整備を入念に行っていた=江口和貴撮影

大山さんとの一問一答

 ――高校時代は陸上の7種競技に打ち込みました。

 レーサーを目指す上で、部活は…

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