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 日中両政府は5日、4月上旬で調整してきた中国の習近平(シーチンピン)国家主席の国賓訪日を延期すると発表した。両国で新型コロナウイルスの感染が広がり、訪日に向けた準備が滞っていた。両政府は、訪日の時期を今秋以降で再調整する方針だ。

 菅義偉官房長官は同日の会見で「現下の最大の課題である新型(コロナ)ウイルス感染症の拡大防止を最優先する必要がある」と理由を説明。訪問時期については、「双方の都合の良い時期に行う」と述べるにとどめた。中国外務省の趙立堅副報道局長も同日の会見で「中日双方は、最も適切な時期、環境、雰囲気を確保し、申し分のない成功を収める必要があるとの考えで一致した」と語った。

 中国国家主席の国賓訪日は、2008年の胡錦濤(フーチンタオ)氏以来となる予定だった。習氏の訪日は昨年6月、安倍晋三首相が大阪での日中首脳会談で直接要請。新たな日中関係を定義する「第5の政治文書」に向けた調整もしていた。しかし、新型肺炎が中国だけでなく、日本国内でも拡大。訪日に向けた準備会合も相次いで延期されていた。

 外務省幹部によると、東京五輪や今後の外国訪問のため、国賓と会見する天皇陛下の日程は夏まで確保が難しく、習氏の訪日は秋以降になる見通しという。(太田成美、北京=冨名腰隆)