拡大する写真・図版「2日学校が延びて楽しく過ごせた」と、友だち同士で連れ立って帰宅する児童ら=3月3日、戸田市立戸田第二小学校

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 新型コロナウイルスへの対応で、埼玉県戸田市は市立小中学校18校の休校を政府の要請よりも先延ばしし、3日まで授業を続けた。子ども、保護者と先生の3者の立場をおもんばかった決断だったという。現場はどう動き、何ができたのか。市立戸田第二小学校を舞台に振り返った。

「本当にあと1日で終わるのか」

 2月27日午後6時半。市内で児童数が1010人と最も多い同小6年の学年主任、野島英樹教諭(34)は職員室で安倍晋三首相の休校要請を聞いて、「本当にあと1日で授業が終わってしまうのか」と肝をつぶした。

 残っていた6年担当の先生たちとすぐ、話し合いを始めた。卒業式はなくなるのか。まだ手つかずの通知表はどうするのか。最後の授業で何をやればいいのか。図工の作品の返却などの持ち帰りは1日でできるか。課題は山ほどあった。

 出張先から駆けつけた小高美恵子校長は「まだ決まったわけではないから落ち着くように」と冷静さを求めた。

拡大する写真・図版校舎玄関ドアに貼り出した感染対策の「お願い」。納品業者らの来訪も玄関での対応に限るとしている=戸田市立戸田第二小学校

 28日午前7時。保護者向けの緊急一斉メールで「休校については教育委員会と検討中」と送信。問い合わせに応じられないことも併せて説明した。

 午前7時50分。児童が続々と登校してきた。いつも通り校門で出迎えた小高美恵子校長に「今日で学校終わりなの?」と不安そうな顔で見上げる子どももいた。教職員には「児童に何を聞かれても不用意な返事を慎むように」と告げると、市役所で開く緊急会合に向かった。

市教育長の宣言「戸田の学校は3日まで続ける」

 午前9時。県庁の対策本部会議で県教育局の小松弥生教育長が、公立小中学校や高校の2日からの休校を自治体に要請する方針を表明した。同じころ、市役所の会議室に菅原文仁市長や小高校長ら校長会役員、教育委員会幹部らが顔をそろえる中、戸ケ崎勤教育長は「戸田の学校は3日まで続ける」と明言した。

 県の考えはすでに伝わっていた。が、戸ケ崎教育長は「今日限りでは児童の気持ちも整理がつかないし、保護者も混乱する。先生も適切な指導をする余裕もなくなる。月曜まで延ばしても難しい。2日間は必要だと考えた」と説明する。

記事後半では、戸田第二小学校の3月2日・3日の2日間を時系列を追って紹介します。子どもたちから先生へ、サプライズも。

 臨時休校要請の理由を、安倍首…

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