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 かんぽ生命の不正販売問題を報じたNHK番組をめぐり、NHK経営委員会が2018年10月に当時のNHK会長を厳重注意した問題で、経営委の森下俊三委員長は5日の衆院総務委員会で、経営委の会合で番組への意見を述べたと証言した。「放送の中身は話していない」との従来の説明を翻した。会長の面前で番組を批判した疑いもあり、番組介入を禁じる放送法に抵触しかねないとの指摘も出ている。

 NHK「クローズアップ現代+」は18年4月にかんぽ問題を報じた。7月に続編に関する動画をネットで流すと、日本郵政グループが抗議。続編の放送は見送られたが、郵政側は番組幹部が取材交渉で「会長は制作に関与しない」と発言したのも問題視し、10月5日に経営委に検証も求めた。

 これを受けた18年10月23日の経営委の非公表会合について、森下氏は5日の総務委で「状況や経緯を確認するため会長も出席し、自由に意見交換した。番組や動画について意見を述べた」と説明した。上田良一会長(当時)はこの議論などもへて会合があった日に厳重注意された。森下氏は「具体的な制作手法は指示しておらず、NHKの自主自律や番組編集の自由を損なう事実はない」と強調し、番組介入の意図は否定した。

 だが、関係者への取材で、森下氏らは番組の制作手法を批判するなどしていたことがすでに明らかになっている。

 森下氏は委員長代行だった昨年10月には、国会での会合で「放送の中身の話は一切していない。経営委としてどんな番組だったかは議論していない」と説明していた。

 高市早苗総務相は5日の森下氏の説明に対し、「答弁を聞いても私自身が十分に理解できない面がある。説明責任をより的確に果たしてほしい」と述べた。

 放送法に詳しい立教大学の砂川浩慶(すなかわひろよし)教授(メディア論)は「編集トップのNHK会長の前で経営委員が個別番組を批判すれば、放送現場にも影響が出る恐れがあり、基本的に放送法で禁じる番組介入にあたるだろう。議事録を公開して第三者が検証できるようにするべきだ」と指摘する。(黒田健朗、藤田知也)

■総務省「問題は放送への…

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