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 東京医科大の不正入試問題で、不利益を受けた女子などの受験生に同大が賠償する義務があるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京地裁は6日、受験生の代わりに原告となったNPO法人「消費者機構日本」(東京)の訴えをほぼ認め、同大には受験料などを返す義務があると判断した。ただ、受験にかかった旅費と宿泊費については、人によって違いがあり、この訴訟では適切に判断できないとして訴えを退けた。

 前沢達朗裁判長は「大学側は募集要項などで入試の際に(性別や年齢などの)属性を考慮することを告知すべき信義則上の義務を負う。ひそかに得点調整を行っていたことは違法との評価を免れない」と述べた。

 大規模な消費者被害を救済するため、被害者に代わって消費者団体が提訴できると定めた消費者裁判手続き特例法(2016年施行)に基づく訴訟の初めての判決。勝訴が確定すれば、機構は対象の受験生に支払額を決める新たな裁判への参加を呼びかける。

 同大は17、18年度の入試で、事前の説明もなく女子や浪人生らを不利に扱う得点調整をしていた。機構側は、不合格となったこれらの受験生らに同法が適用できると判断し、18年12月に提訴に踏み切った。

 訴訟で機構側は、得点調整をするなら事前に説明すべきだったと指摘し、教育を受ける権利や法の下の平等を定めた憲法に反する差別だなどと主張。こうした不正で不合格になった受験生らが支払った受験料や宿泊費などの返還を求めた。

 一方、大学側は受験生によって出願の動機や宿泊費は異なり、被害者も多くないと指摘し、特例法は適用できないと反論。大学が採点方法を事前に説明する義務もなく、得点調整は様々な理由で認められていることから違法とは言えないなどと反論していた。(新屋絵理)