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新型コロナ 介護現場に強まる「サービス休止」の危機感

有料記事新型コロナウイルス

畑山敦子 有近隆史 中村靖三郎 編集委員・清川卓史
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 新型コロナウイルスの感染が拡大し、介護現場に危機感が強まっている。発症すればリスクが高い高齢者。事業者は感染拡大に神経をとがらせる。サービスが立ち行かなくなる「万が一」のとき、認知症や一人暮らしの要介護高齢者をどう支えるか。不安は尽きない。

 感染が広がるなか、介護現場ではサービス提供を休止する事業所が出始めている。

 「3月2日から休みます」。横浜市では2月下旬以降、そんな報告がデイサービスなど7事業所から市に寄せられた。利用者や職員が感染したわけではなく、新型コロナウイルスの感染防止が主な理由だ。「小学生の子どもが休校で出勤が困難な職員がいる」との声もあった。休止期間は最長で3月末までだという。

 厚生労働省は2月下旬、介護サービスが「利用者や家族の生活を継続する上で欠かせないもの」であるとして、継続的に提供されるように人員配置基準の緩和などを認める通知を出した。同市の担当者は「何らかの工夫をしてサービス提供を継続してもらうよう、改めてお願いすることを考えていかなければならない」と話す。

 緊急事態宣言が出た北海道の札幌市では、これまでに少なくとも3カ所のデイサービスが休止した。ほかにも「休止を考えている」という相談が約10件寄せられており、市の担当者は「件数は徐々に増えてきている」と話す。

 大半の事業所は運営を続けつつ、感染予防に神経をとがらせる。

 「通勤は電車でなく車で」 感染防止で職員に指示

 埼玉県で小規模多機能ホームやデイサービスなどを運営する医療法人財団では、職員の感染防止のため、通勤を電車から車に切り替えてもらうよう要請した。担当者は「職員に負担をかけるが、感染者が出ないようできる限りのことをするしかない」と話す。

 要介護度の軽い人向けのデイ…

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