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医の手帳・白内障(1)

 白内障は、非常にポピュラーな疾患ですので、多くの方もすでにご存じだと思いますが、改めて解説いたします。

 まず眼(め)の中にある水晶体という組織があります。この組織は、カメラでいうレンズにあたり、直径は約9ミリ、厚みは約4~5ミリの大きさです。みなさんが直接、鏡で確認できる黒目(角膜)が直径約11~12ミリですので黒目より一回り小さい組織ということになります。角膜が眼球の外膜を構成しているのに対し、水晶体は眼内に存在しており、カメラの絞りにあたる虹彩(こうさい)や瞳孔の奥にあります。

 その構造は、中心に硬度のある水晶体核、その周りに水晶体皮質、そして前面を覆うように水晶体上皮細胞、さらに厚さ0・2マイクロメートルと極めて薄い膜である水晶体囊(のう)が水晶体すべてを包むように存在しています。組成は3分の2が水分、3分の1がたんぱく質です。水晶体の重要な機能は、近くを見るときに厚く、逆に遠くを見るときは薄くなり、厚みを変えることによって屈折力を調節することです。これにより目に入る光の屈折が変化してピントを調整しています。また有害な紫外線などを吸収する機能もあります。

 この水晶体が混濁する病態を白内障といいます。有病率は70代で80%、80代でほぼ100%と考えられています。症状は、眼の中のレンズが濁るので裸眼の視力が低下し、眼鏡をかけても視力が出ません。部分的に混濁することも多く、その場合は光が散乱することで羞明(しゅうめい)感(まぶしさ)や物が二重になるなどの症状が出ます。原因はやはり加齢による影響が最も多いのですが、その他に糖尿病などの代謝異常、アトピー、ステロイドなど薬の副作用、近視が強い人、先天性など多彩です。しかしなぜこれらの原因によって白内障が発生、または進行するのか、詳細なことはわかっていないのが現状です。次回は手術について説明いたします。