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 食器の破片で口の中が切れ、こぼしたソースでセーターが汚れた――。

 東京ミッドタウン日比谷(東京都千代田区有楽町1丁目)の飲食店で言いがかりをつけ、弁償費用として現金をだまし取ったとして、警視庁は、住所、職業不詳の椿(つばき)昭夫容疑者(50)を詐欺の疑いで逮捕し、6日発表した。容疑を否認しているという。

 逮捕のきっかけは、そのとき詰め寄られた女性店員からの通報だった。1カ月余り後に東京・原宿の飲食店で、「アサリの貝殻で口が切れた」と椿容疑者が声を荒らげている場面にたまたま居合わせたという。

 丸の内署によると、椿容疑者は1月27日、東京ミッドタウン日比谷の飲食店で、アルバイト店員の30代女性に食器の破片のようなものを示し、口の中が切れ、ソースをこぼしたと主張。「責任者を出せ」と言いがかりをつけ、「同じセーターを買う」とうそを言って同店から2万7千円をだまし取った疑いがある。「後で領収書を持ってくる」と言い残したまま現れず、申告した住所や電話番号もうそだったといい、店長が2月4日に被害届を出した。

 警視庁が椿容疑者の行方を追っていた今月5日、東京都渋谷区神宮前4丁目の飲食店で、聞き覚えのある言いがかりに気づいた女性が、椿容疑者だと確認。椿容疑者はアサリ入りの料理を食べていたという。

 同様の手口による詐欺被害の届け出、相談がほかに都内で少なくとも6件あるといい、警視庁が関連を調べている。