拡大する写真・図版2019年9月2日発売の週刊ポストの特集では、「怒りを抑えられない『韓国人という病理』」と題した記事が掲載された

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 昨年9月、週刊誌「週刊ポスト」(小学館)に掲載された特集「韓国なんて要らない」に批判が起き、同誌編集部が謝罪する事態となった。この時、「差別扇動である」とSNSで特集を批判し、すぐさま同誌での連載を降板した作家がいた。マイノリティーなどを題材に小説を手がける、深沢潮(うしお)さんだ。あれから半年がたち、深沢さんが、「ヘイト本」について考えるトークイベントに登壇し、当時の経緯や思いなどを語った。

週刊ポスト「韓国なんて要らない」特集問題
 昨年9月2日発売の週刊ポストは「『嫌韓』ではなく『断韓』だ 厄介な隣人にサヨウナラ 韓国なんて要らない」と題した全10ページの特集を掲載した。「怒りを抑えられない『韓国人という病理』」という記事では、「大韓神経精神医学会」のリポートを紹介する形で、「韓国の成人の10人に1人が治療が必要なレベルで感情がコントロールできない」などとした。雑誌の新聞広告の画像などがネットで出回ると、小学館と関わりのある作家らから抗議が相次いだ。同誌編集部は2日、「怒りを抑えられない『韓国人という病理』」という記事に関して「韓国で発表・報道された論文を基にしたものとはいえ、誤解を広めかねず、配慮に欠けておりました。お詫(わ)びするとともに、他のご意見と合わせ、真摯(しんし)に受け止めて参ります」と謝罪した。広告を載せた新聞社の責任を問う声も上がった。

 2月下旬、東京・銀座の書店「教文館」で、ヘイト本の問題を扱った『私は本屋が好きでした』(太郎次郎社エディタス)を刊行したライターの永江朗さんと、深沢さんは対談した。

拡大する写真・図版「ヘイト本」の問題について語る深沢潮さん(右)と永江朗さん=2020年2月24日午後、東京都中央区

 深沢さんは当時、この特集とは別の、6人の作家による週替わりコラムの執筆陣の1人だった。掲載紙が送られてきて、看過できないと思ったのは「怒りを抑えられない『韓国人という病理』」と見出しがついた記事だったという。

 「びっくりしました。何が問題かというと、在日コリアンの人が、差別的なことを言われて怒りを示しても、無効化されてしまうと思いました」

 深沢さんは在日韓国人として生まれた。この特集の経緯を編集部に尋ねたという。

拡大する写真・図版昨年9月2日発売の週刊誌「週刊ポスト」

 「『誰も止めなかったんですか』と聞いたら、『そんなに傷つく人がいるとは思っていませんでした』と言われました。その時、自分が関わっている範囲では、言うべきことは言おうと思いました。(出版社と)対立するというより、傷つく人がいることを伝えていくことが大事だと思いました」

 コラムの連載を降板することに葛藤があったことも打ち明けた。

 「作家になったのが40代後半…

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