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 昔話として親しまれている「ぶんぶくちゃがま」。もとになったのは、群馬県館林市にある茂林寺(もりんじ)に伝わる伝説だ。湯が尽きない茶釜を持ってきた僧がタヌキ(ムジナの説も)だった、という話を、児童文学者巌谷小波(いわやさざなみ)がおとぎ話に仕立てた。最寄り駅の東武伊勢崎線茂林寺前駅から寺までの道すがら、市が設置した看板でその物語を読むことができる。

 寺の参道には、様々な格好をしたタヌキの像がずらりと並ぶ。門前にもタヌキの置物などを売る店が軒を連ねる。門の近くの「福陶庵(ふくとうあん)」の店主工藤政美さん(76)は青森県出身だが、「小学校の教科書で分福茶釜の話を読んだ覚えがある。今、こうして寺のそばで土産物店をやっているのも縁かな」と笑う。

 ただし、かつてのにぎわいはない、とも。「昔はどの店も開いていたが、今は店じまいしてしまったところも多い。分福茶釜の話をもっと知ってもらって、観光客に来てほしい」。市内にある「つつじが岡公園」のつつじが見頃の毎年4~5月には、多くの人出があるという。

 ちなみに館林市内には「分福町」という町名もある。市によると、住宅団地造成の際、隣接地域も含め1985年に分福町にしたという。「茂林寺前駅にも近く、分福茶釜の話にあやかった」と市職員。分福公民館もある。ただし、茂林寺があるのは堀工(ほりく)町で、分福町にはない。(寺沢尚晃)

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 茂林寺 群馬県館林市堀工町。寺に伝わる茶釜を拝観できる。大人300円、小中学生150円。午前9時~午後4時で木曜休み。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、平日は当面拝観できない。問い合わせは茂林寺(0276・72・1514)へ。

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