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 横浜港に停泊していた大型クルーズ船内で新型コロナウイルスの集団感染があり、約700人の感染が確認された。船や鉄道、飛行機など乗り物の感染予防では、どんなことに気をつけるべきなのか。

 インフルエンザウイルスやコロナウイルスは、ウイルスにふれた手で鼻や口をさわる接触や、せきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)で感染する。インフルエンザでは、海外のあるクルーズ船で2014年春に集団感染が起き、乗客乗員の3~6%がインフルエンザの症状を訴えたという論文もある。

 新潟大の斎藤玲子教授(公衆衛生学)は「限られたところで長時間缶詰め状態になると、感染のリスクが高まる」と話す。通常は学校や職場と住居は別になっているが、クルーズ船内は個室を除き、近い場所で過ごすことになるため予防に注意が必要だ。

 飛行機での感染はどうか。米エモリー大などが18年に発表した研究では、機内でインフルエンザの患者がいても、半径1メートル内の席に座らなければ、感染の可能性は低いという。東京医大病院渡航者医療センターの濱田篤郎教授は「機内は頻繁に空気が入れ替わるので比較的安全だ」と話す。

 バスや電車など、感染者と近くで接触する可能性が高い乗り物は感染リスクがあるという。満員電車の場合、乗っている時間が短くても常に接触感染に近い状態になる。会話しているだけで1メートル以内にしぶきがとぶ。新幹線や船では、トイレなどに移動する際、手すりやドアノブをさわることで、席が離れていても感染する可能性がある。

 濱田さんは対策について「過剰に反応しないでほしいが、ウイルスはつり革や手すりなどどこにでもいる。マスクをしたり、乗り物から降りた時に手洗いや消毒をしたりすることが予防につながる」と話す。

拡大する写真・図版電車からマスク姿で降りてくる乗客ら=2020年3月3日午前、東京・渋谷、川村直子撮影