拡大する写真・図版夕方、廃炉や除染、復興工事にかかわる作業員らでにぎわう店内=2020年2月12日午後、福島県富岡町、小玉重隆撮影

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東日本大震災9年、現場から⑤

 だれも住めなくなった町に住民が戻ってきて、この春で3年になる。町内唯一のスーパーは活況が続く。

 しかし、車で5分の距離に住む渡辺禎子(ていこ)さん(72)は時々、店に行くのをためらう。「わびしくて。作業員の店だもん」

 東京電力福島第一原発が立地する福島県双葉郡。その中心地だった富岡町で、避難指示解除にあわせて営業を再開した地元スーパー、「ヨークベニマル新富岡店」をめぐる話だ。

拡大する写真・図版ヨークベニマル富岡店がある福島県富岡町の位置

 渡辺さんは原発事故前、庭で里芋や白菜を育てながら、3世代7人で暮らしていた。しかし、8年の避難生活を強いられ、町に戻ったのは夫(79)と2人。買い物は、娘が住む仙台に足を運んだときに済ませる。

 被災者向けの災害公営住宅に夫(89)と暮らす伊藤ヒデさん(84)は目の前にあるこのスーパーを日々利用するが、いわき市のスーパーまで南へ1時間ほど車を走らせることもある。「生魚の品ぞろえがねえ」。公営住宅には同じように遠出する住民が少なくないという。

「帰還のシンボル」の店
酒の売り場は、他店の1.5倍。4ℓのボトルが大量にならぶヨークベニマルに密着しました。客たちの思いはーー。

 町民が親しんできたスーパーの…

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