もう食えない、3月末が限界 危機下で音楽は不要なのか

有料記事新型コロナウイルス

聞き手・坂本真子 聞き手・西正之
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 新型コロナウイルスの感染拡大で、コンサートの中止・延期を迫られた音楽業界が危機感を募らせている。政府の自粛要請から2週間。ポップス、クラシックの分野でコンサートの企画運営にあたってきた業界のトップらは、「3月末ぐらいまでが限界」「文化がつぶれかねない」などと窮状を訴える。

中西健夫・コンサートプロモーターズ協会長に聞く

 ――4日に日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会の連名で、「エンターテインメントを愛する皆さんへ」と題した声明文を出しました。「開催に向け実施可能な感染防止対策を行います」「共に楽しいエンターテインメント空間を描けることを心より願っています」とする内容です。

 ライブをやることの是非にはいろんな意見があって当然。ただ、我々の思いはどこかで伝えないと。ライブを決行した椎名林檎さんらがあんなにたたかれたのは心が痛い。何度も何度も皆で話し合って、エンターテインメント業界ならではの思いを声明文に込めました。

 ――CDが売れない今、音楽市場はライブで成り立っています。中止の影響はどう見ていますか。

 経済活動としては、影響が出るどころの騒ぎではありません。基本的にライブを軸にビジネスの枠組みができあがっているので、そこが遮断されると、アーティストやプロダクション(事務所)に付随する全てがなくなる。音響や照明、会場のスタッフからアルバイト、ケータリング。作ってしまったグッズはどうするか、など枝葉まで影響が出る。関連する会社、さらにフリーランスが非常に多い業界なので計算のしようがないんです。大勢の生活がかかっているので、早く終息して開催していくことしか解決の道はないと思います。

 ――感染症は興行中止保険の対象になっていません。

 だから、今回は全て、何もかもが損害。誰かに請求できることは一つもない。例えば2千人規模の会場のツアー20公演が直前に全て中止になると、作ってしまったステージセットやスタッフ、メンバーのギャラ補償で約5千万円、既に作ったグッズが約3千万円、その他宣伝費など諸経費を入れると計約1億円近くかかります。これを誰が払うのか、という話です。個人事務所だと本当に厳しいと思います。

 ――PerfumeやEXILEがドーム公演を当日中止した場合の損失は。

 億単位だと思います。グッズ…

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