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 週明け9日のニューヨーク株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念と原油価格の暴落を受け、主要企業でつくるダウ工業株平均が急落して始まった。前週末(2万5864ドル)からの下落幅は一時、2000ドル(7%超)を上回り、昨年1月以来の安値水準で推移している。

 ニューヨーク市場では取引開始の後間もなく、株価の動きを制限するための「サーキットブレーカー」が発動され、取引が15分間停止された。米メディアによると、サーキットブレーカーの発動は今の基準が適用された2013年以来初めて。

 世界最大の石油輸出国サウジアラビアが増産に転じる姿勢を見せたことを受け、原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は前日8日夜、前週末から3割超下落し、一時1バレル=27ドル台をつけた。原油価格が30ドルを切るのは2016年以来、4年ぶりだ。

 近年まれに見る急激な原油安に直面し、投資家はリスク回避の姿勢を強めている。原油安が直撃するエクソンモービルなど石油会社や、金利低下で収益が悪化しかねない金融株が大きく売られている。

 一方で、「安全な資産」とされる米国債に資金が流入。米長期金利の指標となる10年物米国債の利回りは8日、史上初めて0・50%を下回る水準まで低下(国債価格は上昇)した。

 米長期金利は今月3日に1%の節目を割り込んだばかりで、史上まれに見るスピードで金利低下が進んでいる。米経済の長期的な先行きを投資家が悲観している表れともいえ、「コロナショック」による景気後退が現実味を増している。(ニューヨーク=江渕崇)