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 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて政府の専門家会議(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)が9日開かれた。会議後の会見で、国内の感染の流行が長期化する見通しを示したうえで、クラスター(小規模な患者の集団)の早期発見・早期対応や、感染を防ぐための市民の対応の徹底といった基本戦略を強化すべきだとした。

 同会議が「これから1、2週間が瀬戸際」という見解を示してから2週間となるこの日、新たな見解をまとめた。現時点で国内で「爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえている」との認識を示した。

 一方、知事が緊急事態宣言をした北海道での対策や、安倍晋三首相が相次いで発表した全国的なスポーツ・文化イベントの自粛要請、休校要請などの対策の効果について19日ごろに専門家会議としての判断と対応を公表するとした。脇田座長は「19日ごろには北海道とそれ以外の地域の感染状況が明らかになってくる」と述べた。専門家会議として、それまでは現在の対策の継続を求めた。厚生労働省幹部も9日夜、スポーツ・文化イベントの自粛要請を19日ごろまで延長する意向を示した。

 長期的な見通しについては、世界的流行を完全に封じ込めることはできないとし、国内の流行を抑えられたしても海外から持ち込まれるなど、再流行してもおかしくない状況が続くことが見込まれるとした。舘田一博・日本感染症学会理事長は「インフルエンザのように暖かくなると消えるウイルスではない。数カ月から半年、または年を超えて続ける必要がある」と長期的な対策が必要だとした。一方、対策によって収束に向かえば、比較的感染リスクが低い活動から自粛を解除するなど社会・経済活動の維持と感染拡大防止とのバランスを取っていくことも必要だとした。

 日常生活でクラスター発生のリスクが高くなるのは、①換気の悪い密閉空間②人が密集③近距離での会話や発声――の3条件が同時に重なることだと改めて示した。満員電車は①②が当てはまるが、③はあまりされないものの、場合によっては③が重なることがあるとした。通常の野外スポーツでは3条件はそろわないが、着替えやミーティングではそろうことがあると注意を呼びかけた。(姫野直行)