母子を救った消防士のキャラメル 9年後、所在追うと…

有料記事

井上裕一
[PR]

 長さ7センチ。幅2・5センチ。森永製菓の黄色い包み紙が、母子手帳にはさまっている。中身は空だ。その下に1枚の紙片がある。

 〈3月13日PM〉

 〈通りすぎたのに戻ってきて、子供にキラメルをくれた ありがとう がんばります〉

 慌ててメモしたため、小さい「ヤ」が抜けている。

 山本和子さん(41)は、長男・悠稀(ゆうき)くんの母子手帳を開くと、30歳過ぎだったあのときの感情がわき上がってくる。

 これからどうなってしまうのか。離婚し、夫はもういない。3歳の一人息子を守っていけるのか。

 ひとこと、お礼が言いたい。あの人は誰だったのか。

 9年前の初春。岩手県釜石市

この記事は有料記事です。残り826文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら