「高学年でも子どもだけで長時間留守番させるのは不安」「ちゃんと過ごせるのだろうか」――。新型コロナウイルスの感染拡大防止策として小学校などの休校が続く中、「#ニュース4U」取材班にそんな声が寄せられている。子どもだけの留守番。何に気をつければいいのだろうか。
「先週は夫の母が子どもを見てくれたけど、今週は来られない。ベビーシッターも利用しようと思うが、子どもだけで留守番させざるを得ない時間があるかもしれません」。関西に住む団体職員の女性(43)は、取材班にそんなメッセージを寄せた。
来客や電話は「対応しない」
小学5年の子どもがいる。夫婦とも仕事で午前7時半~午後7時は家にいない。女性の住む地域では小学3年までの子どもは学童保育が受け入れているが、5年になると学校でも学童でも見てもらえない。「子どもだけで留守番させることも考えているけど、こんなに長時間の留守番は未経験。不審者や火の取り扱いなど不安が尽きない」
NPO法人・日本こどもの安全教育総合研究所(東京都)の宮田美恵子理事長は「今回の休校措置で、長時間の留守番に慣れていない子が突然留守番せざるを得なくなるケースが出てくると思う。親は、子どもとの約束事を紙に書いて見えるところに張り出してあげてほしい」と話す。
宮田さんによると、ポイントは三つ。①来訪者や電話には対応しない②スマホやインターネットで外の人とつながらない③火は使わない。「『宅配の人は良い』などと言うと子どもは混乱するので、例外を作らないことが大切です」。戸締まりや食事前の手指の消毒など、基本的なことも一緒に紙に書いてリビングに張ることを薦める。
保護者だとわかってから電話に出るルールを決め、仕事の合間にこまめに連絡してあげることも子どもの不安を和らげる。仕事から帰宅したら、子どもにその日の様子を聞いて一緒に翌日のスケジュールを考える。「全て子ども任せにしないことが大事です」
一汁一菜に主食があればOK
留守番させる際のもう一つの気がかりは昼食だ。給食のような献立を毎日準備しなければならないのか。
医学博士で管理栄養士の山本周美・武庫川女子大学准教授によると、給食のある日とない日の子どもの栄養摂取状態を比較すると、給食のない日はビタミンB1や食物繊維、カルシウムが少なく、塩分が過剰となる傾向があるという。
ただ、「栄養素の摂取は1カ月単位で考えれば良い。1食で必要な栄養素をすべて補おうと神経質になる必要は全くありません。一汁一菜にご飯やパンがあれば十分です」と話す。
山本准教授の一番のオススメは主食となるご飯の栄養を高めることだ。「胚芽(はいが)米や分づき米はビタミンB1が豊富。同じレトルトカレーを食べるのでも白米でなく、胚芽米に置き換えればビタミン、ミネラルに食物繊維も摂取できる」
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