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 薬物事件が日本ラグビー界を揺るがしている。トップリーグ(TL)は、日野の選手がコカイン使用容疑で逮捕された事件を受け、3月に実施予定だった3節分、計24試合について「選手へのコンプライアンス教育を徹底するため」として中止を決めた。

 日野の選手が逮捕されたのは4日。翌5日にチームの無期限活動自粛が発表された。その後、TLの太田治チェアマンは各チームとテレビ会議で対応を協議し、日本協会の森重隆会長、岩渕健輔専務理事らとも相談して中止を決めたという。

 9日に開いた記者会見では「日本ラグビーの存在を揺るがす大きな問題、非常事態だと思う」と述べた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響と、今回の判断との関連性を問う質問には「コロナとは切り離して考えている」と否定した。

 昨年6月にはトヨタ自動車の2選手がコカイン所持容疑で逮捕され、今年1月にも日大ラグビー部の部員が大麻を所持していた疑いで逮捕された。過去にも選手が薬物に関する事件を起こしてきた経緯がある。太田チェアマンは「『ラグビー選手イコール薬物』のようなイメージを早く払拭(ふっしょく)したい」と危機感を示す。

 昨年6月の事件発覚を受け、各チームに「インテグリティーオフィサー」と呼ばれる対策責任者を置き、再発防止策を講じてきたつもりではあった。だが、TLが主導して所属選手に対する薬物検査を実施しようと関係機関に働きかけたが、実現には至らなかった。太田チェアマンは「防止策が不十分だったと言わざるを得ない。(各チームが)自浄作用できるのでは、と性善説に立った。ラグビーファン、社会を裏切ってしまった」。具体的な再発防止策はこれから詰めるという。

 競技面でも混乱を招いている。中止になった試合の勝ち点をどうするかなど順位決定に関わる部分の詳細は未定。「なぜ(全チームの試合を中止するという)連帯責任なのか釈然としない。きちんと順位付けができるのかも疑問だ」というチーム関係者の声もある。