人口34万人流出、避難なお4万人超 東日本大震災9年

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渡辺洋介 菊池功・原発取材センター長(福島総局長)
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 死者・行方不明者、関連死を含め2万2167人が犠牲となった東日本大震災から11日で9年となる。全国に散らばる避難者はなお4万7737人。岩手、宮城、福島3県のプレハブ仮設住宅には今も709人が暮らす。沿岸部の人口減少に歯止めがかからず、3県の人口は震災前から30万人以上減った。国が定めた「復興・創生期間」は最後の1年を迎えるが、復興はまだ途上にある。

 警察庁によると、震災の死者は1万5899人、行方不明者は2529人。復興庁の調べでは、震災後の体調悪化や自殺による震災関連死は3739人に上る。民間の借り上げ住宅なども含めた仮設住宅の入居者はピーク時の約32万人から5884人になった。

 新たな宅地を造る「高台移転」は99%、約3万戸の災害公営住宅も99%まで完成した。住まいの再建やまちの整備は終盤だが、完成したまちに人が戻らない。沿岸部から仙台市など都市部周辺に人口流出が続き、3県の人口は9年間で約34万人減った。被災した企業の再生も遅れ、グループ補助金を利用して再建した企業のほぼ半数が震災前の水準まで売り上げが回復していない。

 東京電力福島第一原発の事故が起きた福島県では今月、立ち入りが厳しく制限される帰還困難区域の避難指示が双葉、大熊、富岡3町の一部で解除された。14日には常磐線が全線で再開する。ただ、残された帰還困難区域の大部分で解除の見通しが立っていない。

 国は、復興庁の設置期限を2030年度末まで10年間延長する。津波被災地は5年間、原発被災地は10年間支援を継続する。一方、25年度末までの5年間で投じられる予算は1兆円台半ばで、20年度末までの10年間の約32兆円から大きく減る。

 国は1月、政府主催の追悼式を震災10年となる21年限りで終了する方針を示した。新型コロナウイルスの感染拡大で、今年の政府主催追悼式も中止となり、多くの被災自治体も主催する追悼式の中止や縮小を決めている。(渡辺洋介)

■故郷の将来像、今なお見えず…

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