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 神戸市の甲南大学2年だった男子学生が「学園祭の売上金を横領した」との誤った情報を拡散されたうえ、大学側の対応にも不満を抱き、2018年10月に自殺していたことが分かった。大学側に対応の検証を求める遺族側の代理人弁護士が10日、記者会見で明らかにした。

 代理人弁護士や大学によると、学生は17年11月の学園祭で、所属する文化系クラブの模擬店で会計などを担当。翌年、当時の部長らにより、売上金の一部を横領したとの情報をSNSで広められ、強制退部となったという。

 学生が大学に相談したところ、部長は横領の事実はなかったことを認め、学生に謝罪文を出したが、学生が求めた謝罪文の掲示などは実現しなかった。学生はキャンパス・ハラスメントを防止する大学の委員会に救済を求めたが、ハラスメントとは認められなかった。

 学生は「(原因は)名誉毀損(きそん)による精神的ダメージ。甲南大の対応も遅く、私は限界となった」などとする遺書を残し自殺した。

 遺族は「大学は本人から悲痛な訴えがあったにもかかわらず、被害回復のための適切な対応をとらなかった」とし、第三者委員会を設置して当時の対応を検証するよう求めたが、大学は応じていないという。

 甲南大学は「一連の対応においては問題がなかったと考えているが、一人の学生の尊い命がなくなってしまったということについては誠に残念であり、悲しい」などとコメントしている。