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 滋賀県守山市の県立総合病院は10日、CT検査で膀胱(ぼうこう)がんの疑いが判明した男性患者(60代)の画像診断報告書を主治医が確認せず、診断が遅れる医療ミスがあったと発表した。男性は2017年に死亡し、病院は「(診断遅れの)影響は否定できない」としている。

 病院は昨年10月にも診断報告書を院内で共有せず、患者3人の診断が遅れる医療ミスを公表。同様の事例がないかを調査する中で、今回の事案が発覚した。

 病院によると、男性は14年に病院でCT検査を受けた。診断報告書に膀胱がんの疑いを示す記載があったが、循環器内科の40代の主治医が見落としたという。

 その後、男性は体調不良で15年に病院の泌尿器科を受診し、膀胱がんが見つかった。CT検査を受けてから10カ月が経過していた。

 診断遅れの患者への影響について、病院側は「見落としがなければ手術ができた可能性は否定できないが、どれだけ影響があったかは評価できない」と説明。医療事故を調べる外部機関の調査を待つという。

 県庁で会見した一山智(いちやまさとし)院長は「県民の信頼を損ない申し訳ない」と謝罪した。病院は18年2月、未読の診断報告書を一覧で確認するシステムを導入。今後も確認を徹底するという。

 病院は、患者3人の診断報告書の見落としの把握を機に、昨年6月に過去の報告書の調査を開始。同10月に、この3人への医療ミスを公表した。今回のミスは14年1月から19年12月までに実施したCT、MRI両検査など約22万7千件を調べた中で判明したという。(山中由睦(よしちか))