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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之理事(元電通専務)が11日、朝日新聞の取材に応じ、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、大会を1~2年後の夏に延期するプランを考えるべきだとの見解を示した。

 高橋氏は個人的見解として「コロナウイルスは世界的な問題になっている。日本が大丈夫ならそれで開催できるわけではない。予定通り開幕するのがベストだが、別のプランも考えなければいけない」としたうえで、他の国際的スポーツイベントの日程が埋まっていることから、「そのすき間をぬって2年後の夏が一番可能性がある」と発言。「延期を視野に入れるなら、今から準備しないと間に合わなくなる」と語った。大会中止の可能性は「あり得ない。放映権料などが入らなくなった場合、国際オリンピック委員会(IOC)の財政が危うくなる」と話した。公式見解と異なる趣旨の発言をした理由については「組織委への警鐘。今の状況と向き合って、危機管理の観点から競技団体などと延期した場合の方策を考える必要がある」と説明した。

 IOCのトーマス・バッハ会長や組織委の森喜朗会長は、五輪は予定通り7月24日に開幕するとの立場を崩していない。一連の報道について、森会長は11日、報道陣に「大事な時期に軽率なことをおっしゃった」と不快感を示し、「高橋さんに電話したら『申し訳ない。口が滑ってしまった』と。計画を変えることは考えていない」と延期の可能性を否定した。

 高橋氏は電通で1984年ロサンゼルス大会から五輪に関わるなど、国際的なスポーツビジネスと深い関わりを持つ。米ウォールストリート・ジャーナルの取材にも、今夏の五輪開催が難しい場合、1~2年後に開催を延期することが選択肢になるとの見解を示していた。