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 東日本大震災の発生から、11日で9年を迎えた。死者・行方不明者、関連死は計2万2167人、避難者はなお4万7737人に上る。新型コロナウイルスの感染拡大で追悼式の中止や縮小が相次いだが、地震が起きた午後2時46分、人々は思い思いの場所で目を閉じ、祈りを捧げた。

 政府は毎年3月11日、都内で追悼式を開いてきたが、5日前の閣議で中止を決定。代わりに首相官邸で小規模な献花式を行った。参列した安倍晋三首相は「今後も被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行う」と述べた。

 被災地でも大半の自治体が追悼式を中止するか、規模を大幅に縮小した。

 例年は約400人が集まる福島県の追悼式は、県知事や県議会議長ら5人だけが参列して福島市内で開かれた。がらんとした会場で、遺族代表の石井芳信さん(75)=同県川内村=が「村内は避難指示が解除されたが、村に戻らない人も多く、以前のような村の姿にはほど遠い」と訴えた。

 宮城県内では東松島市が、自治体主催の追悼式を開いた。渥美巌市長は式辞で「東松島市は、ご遺族への哀悼の気持ちとともに震災を語り継ぐ。国会や霞が関で風化させないことが、被災自治体として大変重要であり、責務である」と語った。夫を亡くした遺族代表の雫石かほるさん(71)は「復興事業が進み、私の住む地区も住宅や施設が整備され、以前の生活に戻った感があります。一方、今も心に不安を抱えている方もおり、一日も早く落ち着いた生活ができることを祈るばかりです」と述べた。

 被災者の思いには、変わりはない。岩手県宮古市田老地区では例年、防潮堤の上で数百人が手をつないでいたが、今年はそれぞれが手を合わせ、黙禱(もくとう)した。呼びかけ人の大棒(だいぼう)秀一さん(68)は「手をつながなくても、心を一つにして復興へ向かおうという気持ちは変わらない」と話した。

 天皇、皇后両陛下も長女・愛子さまとともに11日、お住まいの赤坂御所で犠牲となった人々を悼み、黙禱した。上皇ご夫妻も地震発生時刻に合わせて、お住まいの皇居・吹上仙洞御所で黙禱した。宮内庁が同日、発表した。