[PR]

 18歳未満の養女と性交したとして、監護者性交等罪に問われた30代男性被告の控訴審判決が11日、福岡高裁であった。鬼沢友直裁判長は「(被害者の)供述を適切に評価する審理が不足していた」として、一審・福岡地裁の無罪判決を破棄し、審理を地裁に差し戻す判決を言い渡した。弁護側は即日、上告した。

 被告は2018年1月中旬~2月12日、福岡県内の当時の自宅で、同居する養女と性交したとして起訴された。

 昨年7月の一審判決は、被害者の供述通りなら「事件の約1年前から家族5人が密集して寝ているリビングで性交を繰り返していたことになり、他の家族が一切気づかなかった点は相当に不合理」と指摘。供述の信用性に疑いがあるとして無罪を言い渡した。

 この日の判決で、鬼沢裁判長は「被害者の知的発達の程度などを踏まえる必要がある」と指摘。供述の信用性を判断するには、被害を受けた精神的後遺症なども考慮する必要があるとして、一審を「被害者に対する十分な配慮に欠け、供述を適切に評価するための審理が不足していた」と結論づけた。

 被告の弁護人は取材に「全体的に不当なものと考えている」と話した。福岡高検の佐藤隆文次席検事は「原判決の誤りを是正した点で妥当な判決」との談話を出した。(角詠之)