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 11日に大手企業の集中回答日を迎えた2020年の春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を見送る企業が相次いだ。大企業のベアと定期昇給を合わせた賃上げ率は前年まで6年連続で2%を上回ってきたが、「2%割れ」の可能性が出てきた。

 長年、相場の先導役とされてきたトヨタ自動車。20年3月期の純利益見通しを前期比24・8%増の2兆3500億円に引き上げたにもかかわらず、7年ぶりにベアゼロの回答を出した。河合満副社長は記者会見で「激しい競争や厳しい経営環境のなか、いかに雇用と処遇を守るかという観点で悩んだ結果だ」と説明した。新型コロナウイルスの感染拡大や中国市場の動向は回答に織り込んでいないとしている。

 自動車業界では、マツダもベアゼロの回答。ホンダはベアが昨年実績を下回る500円の回答だった。三菱自動車、スズキもベアやベア相当額が前年実績を割り込んだ。

 産別組織・電機連合が回答のばらつきを容認した電機業界も振るわない。経団連会長を出す日立製作所が前年実績を上回るベア1500円を回答したものの、1千円の回答が多かった。東芝は前年実績と同じ1千円に加え、福利厚生施設で使えるポイントを月300円相当つけた。パナソニックとNECは、1千円の内訳に企業型の確定拠出年金(DC)の掛け金増額分や福利厚生ポイントを含めており、純粋なベア額はこれを下回る。

 電機や自動車など製造業大手の労組でつくる金属労協の高倉明議長は「国内外の経済が日に日に悪化する中、交渉は最後までもつれた」と語った。米中貿易摩擦で業績が悪化した企業が多いうえ、英国の欧州連合(EU)離脱に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が追い打ちとなり、世界経済の先行きは急速に不透明感を増している。経営側は将来にわたって人件費を膨らませるベアに消極的になった。

 金属労協傘下の56組合のうち、賃上げを獲得したのは38組合にとどまり、前年と比較可能な組合の平均引き上げ額は前年実績を101円下回った。一時金を獲得した26組合のうち18組合が前年実績を下回った。

 日本総合研究所の山田久・主席…

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