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 新型コロナウイルスの感染拡大が、経営再建中のJR北海道を直撃した。利用者の急減で3月以降は収入が半分になっており、減収幅は過去最大となる見通し。運行コストを少しでも抑えるため、23日から1カ月間、札幌と旭川、帯広、函館などを結ぶ特急列車を1日最大24本減便する。

 「(1987年の)会社発足以来、減収幅は現時点で最大。東日本大震災を上回る大きな影響が出る」。札幌市の本社で開かれた11日の会見で、島田修社長はこわばった表情で話した。

 北海道が先月28日に「緊急事態宣言」を出して外出自粛を要請して以降、利用者が急減。それまでは前年比1割~3割程度の減少にとどまっていたが、3月2日~8日は特急列車が前年比69・9%減、新千歳空港駅発着の快速エアポートは52・3%減、北海道新幹線(新青森―新函館北斗)は75%減。島田社長は「観光やビジネスなどの人の動きが止まった」と話した。

 同社の運輸収入は1日平均で約2億円だが、3月以降は半減しているという。1月下旬から3月末の減収額は47億円を見込む。2011年3月の東日本大震災(約11億円)、16年夏の台風被害(約40億円)、18年9月の北海道胆振東部地震(約17億円)を上回る水準で、昨年10月の運賃値上げで見込んでいた増収も吹き飛んだ。今回は収束がなお見通せず、事態の長期化も含めて「規模はさらに拡大すると見ざるを得ない」(島田社長)という。

 JR北がこの日発表した減便は、まず23日から札幌―旭川で特急ライラックとカムイを1日計10本、札幌―東室蘭で特急すずらんを1日6本減らす。これに加え、4月6日~23日は札幌―函館の特急北斗、札幌―帯広の特急とかちをそれぞれ1日4本減らす。減便の規模は各区間の運行本数の約2割にあたる。

 ただ、これに伴う燃料費や清掃費の削減は4400万円にとどまる。JR北の場合、燃料費などの「動力費」は57億円(18年度)で、営業費用全体の4%に過ぎず、燃料費が主要コストの航空会社と比べて減便の効果は限定的だ。

 JR北の19年3月期決算は売上高が1710億円。営業損益が418億円の赤字、純損益が179億円の赤字で、いずれも過去最悪を更新した。国や自治体の支援を受けながら、北海道新幹線の札幌延伸後の31年度の経営自立をめざす。(長崎潤一郎)