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 東京電力福島第一原発事故で故郷が奪われたとして、福島県の住民ら216人が東電に損害賠償の増額を求めた訴訟の控訴審判決が12日、仙台高裁であった。小林久起裁判長は一審・福島地裁いわき支部判決を支持した上で、約1億4900万円を増額し、計約7億6千万円の支払いを命じた。全国で約30件起こされている原発事故の集団訴訟で、高裁判決は初めて。

 訴えによると、原告216人のうち195人は避難指示区域の住民で、21人は旧緊急時避難準備区域の住民。住民は原発事故により故郷での生活を奪われ、長引く避難生活で精神的苦痛を受けた。東電から支払われた1人当たり850万~1450万円の精神的慰謝料では補えないとして、一審判決が認めた賠償額に加え、1人当たり847万~935万円、計18億8千万円の増額と、東電の重過失責任を求めて控訴した。

 一方、東電は一審判決の取り消しを求めていた。

 一審判決は2018年3月、原発事故による国の指針に基づく賠償額に加えて、原告1人当たり70万~150万円、計約6億1千万円を増額して支払うよう東電に命じた。一方、原発の津波対策については、慰謝料を増額するほどの重過失は東電側にないと認定した。