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 舞台を通して東日本大震災の体験や記憶を観客に届けたり、被災者を励ましたりしている演劇人たちがいる。新型コロナウイルスの影響で直近の公演が中止や延期を余儀なくされる逆境下でも、被災地に思いをはせ、人々が集う表現の力を信じ、息長く活動を続けている。

30都市で2万人が見た

 「僕らみたいなボランティアがいなくならないと、ほんとうの意味での復興にはならないと思うんですよ」。そんなセリフが飛び出す。「復興支演舞台『イシノマキにいた時間』」は2011年からロングランを続ける。東日本大震災の時に宮城県石巻市へボランティアに行った東京都内の役者3人が出演。全国30都市で101公演を重ね、約2万人を動員した。

 作・演出・出演の福島カツシゲ(53)は、石巻で被災家屋の泥出しや漁業支援などのボランティアに参加、体験をもとに劇にした。劇では、ユーモアも交えながら、ボランティアの範囲や、地元の人の自立を損なわないか、当事者の痛みがどこまで分かるか――など、葛藤もさらけ出す。出演の田口智也(40)は「被災された人の本当の気持ちは分からない。無理して代弁するのではなく、外様の僕らが思って感じたことを伝えたい」、石倉良信(51)は「劇を見た人がボランティアに行くきっかけになれば」と言う。

 12年に石巻で上演。被災者に「こんなに笑ったことがなかった、ちゃんと泣けたことがなかった」と言われ、福島は「その言葉に背中を押されて続けている」と話す。公演を誘致した石巻の漁師石森裕治(62)は「実際にボランティアで汗水たらした体験を劇にしているから訴える力がすんげえな。ビンビン伝わってくるものがあったからな、拭いでも拭いでも涙が止まらなかった」。

 だが、震災の記憶は風化してい…

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