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 X線検査に比べて早期のがんを発見しやすく、通常のCT検査よりも被曝(ひばく)量が少ないことから検診現場で使われることが増えている「低線量CT」。放射線被曝のリスクについて調べてきた広島大などの研究チームが、低線量CTによる染色体DNAへの影響が極めて小さいとする初の研究成果を発表した。

 肺がんは日本で最も死者数が多いがん。進行したがんの生存率は極めて低いといい、早期発見の重要性が指摘されている。こうした中、低線量CTの使用の普及により肺がんの死亡率減少につなげることができると研究チームは期待する。

 広大大学院医系科学研究科放射線診断学の坂根寛晃医師らの研究チームが、広大病院を受診する209人を対象に2016年3月から2年あまりかけて調査。通常のCTを使った102人と、低線量CTを使った107人とで、検査前後の血液で染色体異常やDNA損傷を調べた。その結果、通常のCTでは見られたDNAや染色体の変化が、線量が3分の1以下の低線量CTではほとんど見られなかったという。

 広大原爆放射線医科学研究所の田代聡所長は「肺がん検診での低線量CT使用を正当化する初の生物学的な研究結果だ」と話す。(宮崎園子