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 「車いすの原爆語り部」として知られる渡辺千恵子さん(1928~93)の命日の13日、彼女の半生を描いた合唱組曲「平和の旅へ」を歌う合唱団員ら約10人が、長崎市寺町の延命寺で墓参りをした。

 「平和の旅へ」合唱団は米ニューヨークで核不拡散条約(NPT)再検討会議の開幕する4月27日、国連本部で曲の披露を予定していた。この日の墓参では「世界に向け、核廃絶を歌で訴えてきます」と墓前に報告するつもりだった。

 だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、会議自体、来年春への延期が検討されている。そうなれば、合唱披露の計画も仕切り直しが迫られるのは必至だ。それでも、団長の佐藤由美子さん(69)の強い意志は変わらない。「延期されて日程がかわっても、再検討会議の場で披露できるようしっかり準備していきたい」と語る。

 佐藤さんら団員たちは墓前で、平和活動に希望を見いだした渡辺さんを描いたパートを合唱。渡辺さんの墓に向かって手を合わせた。団員とともに墓参りをした長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(79)は「曲を聴きながら、過去に渡辺さんを車いすに乗せる手伝いをしたことを思い出していた。『核廃絶に向けて私たちが努力します』と伝えました」と述べた。(弓長理佳)