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 関西電力の役員らが、高浜原発のある福井県高浜町の森山栄治元助役(昨年3月死去)から多額の金品を受け取っていた問題で、経済産業省は16日午前、電気事業法に基づいて業務改善命令を出し、役職員の責任の明確化や経営管理体制の見直しなどを関電に求めた。経産省が同法を根拠に改善命令を大手電力会社に出すのは記録が残る限り初めてで、極めて重い行政処分だ。

 電力業界を所管する経産省資源エネルギー庁の高橋泰三長官が、岩根茂樹・前社長の引責辞任を受けて14日に就任したばかりの森本孝・関電社長と省内で面会。一連の問題は公益事業を担う電力会社として不適切な行為と位置づけ、3月末までに改善計画を提出し、6月末までに実行状況を報告するよう命じた。森本社長は会談後、報道陣に「信頼を回復できるよう全力を尽くしたい」と述べた。

 経産省はこの問題が発覚した直後の昨年9月、原因などを調べて報告するよう関電に命令した。関電の第三者委員会(委員長=但木(ただき)敬一・元検事総長)は今月14日、岩根前社長や八木誠・前会長ら経営幹部を含む計75人が総額約3億6千万円相当の金品を受領していたとの調査結果を公表。関電は同日、経産省にその内容を報告し、役員や社員にコンプライアンス(法令や社会規範の順守)意識が欠けていたことなどを原因に挙げた。ほかに類似の事案はなかったとした。

 第三者委が同日公表した調査報告書では、原発などの工事代金が森山氏や関連企業を通じて関電役員らに還流していたと認定した。森山氏が見返りを目的に金品を配っていたことや、関電も森山氏の関連企業に工事を事前に約束し、実際に発注していたことなどが明らかになっている。(伊藤弘毅)