[PR]

 梅光学院大(山口県下関市)が、専門家の評価を十分経ないまま、図書館の貴重な蔵書を大量に廃棄しているとして、文学者や研究者ら106人が16日、同大を運営する学校法人梅光学院側に対する抗議声明を発表した。

 抗議したのは「梅光学院大学図書館を守る会」。守る会によると、大学の研究論文や調査報告書を掲載した紀要などは7万~8万冊所蔵していたとみられるが、今年に入ってすべて廃棄されたとみられる。「廃棄の全容は把握できていない」としている。

 守る会には、同大客員教授だった芥川賞作家の村田喜代子さんや、作家の高橋源一郎さん、詩人の伊藤比呂美さんのほか、中原中也記念館の中原豊館長ら県内の文化人も名を連ねている。同会によると、2017年度に重複している蔵書の廃棄が増え始め、これまでに史料価値のある新聞縮刷版や辞書辞典類、図録、江戸後期に刷られた和古書などの廃棄を確認したという。

 この日、有志代表として記者会見に臨んだ村田さんは「本は大学だけのものではない。日本の歴史が詰まっている。電子書籍もあるが図書館という根本のところが紙で所蔵しないのは問題だ」と指摘した。中原館長も「文学、文化軽視が蔓延(まんえん)し、実はどこの大学でも起こっているのではないか。図書館は未来の読者への責任を負っており、無秩序な廃棄はやめるべきだ」と述べた。

 同大がホームページで公開している財産目録によると、19年3月末現在の図書は約36万冊。7年前より約2万5千冊減っている。学院側は16日、「抗議声明が届いたばかりで書籍1件1件については答えられない。司書の図書館長が専門知識に基づき、適正に除籍している」とコメントした。(山田菜の花)