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 新型コロナウイルスの感染拡大への対策として、政府は電気やガス、電話など公共料金の支払いの猶予を事業者らに要請する方向で検討している。すでに事業者らと調整を進めており、週内にも結論を出す。4月のとりまとめをめざす緊急経済対策を前に、収入減で生活への影響が出る人たちに早急な手当てが必要とみているためだ。

 梶山弘志経済産業相は17日の閣議後会見で、収入が減って公共料金の支払いが難しい人が出てくることが懸念されるとして「電気料金やガス料金についてどのような手当てが可能か、今週中にまとめるべく速やかに検討したい」と述べた。安倍晋三首相も先週末以降、国会や記者会見で同様の発言を続けている。

 公共料金の支払い猶予は、事業者らが自主的に判断することが原則で、強制はできない。政府が参考にするのが、2011年の東日本大震災や18年の西日本豪雨の時の対応だ。災害救助法の適用を受けた自治体の被災者や被災企業を対象に、支払いを猶予するよう事業者らに要請。被害に応じて電気、ガス、電話の料金や、NHK受信料の支払期限が繰り延べされた。

 ただ、今回は自然災害による被災者と違い、対象者が全国に広がる。関係省庁からは「08年のリーマン・ショックを含め、経済状況を理由に全国一律で支払い猶予をした例は過去にない」(経産省)、「どこで線引きをするのか、誰に適用するのかが問題」(総務省)との声も出ている。(伊藤弘毅、井上亮)