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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、欧州連合(EU)の加盟各国の首脳は17日、緊急のテレビ会議を開き、EU以外の市民の域内への渡航を30日間制限することを決めた。各国は即日実施する見通し。これで世界経済を主導する米国、欧州、中国、日本が互いに移動制限を課すことになり、経済、社会に大きな影響が出るのは必至だ。

 入域制限の対象はEU加盟国以外の国・地域の市民で、日本も含む。EU市民の家族や感染対策に携わる医療関係者らは除外され、制限期間は必要に応じて延長する。導入の有無や時期は各加盟国に委ねられるが、この日の会議に出席したEUの行政トップ、フォンデアライエン欧州委員長によると、各加盟国はすぐに導入する意向を示したという。フォンデアライエン氏は会議後の会見で「我々も世界も今まで経験したことがない衝撃を受けている。敵はウイルスで市民、経済を守るために全力を尽くさねばならない」と話した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、自国に外国人が入ることを制限する動きは世界で広がっている。米国はすでに欧州の大半の国や中国からの入国の禁止を決めている。日本政府も中国、韓国に加え、欧州からの入国制限を強化する方針を固めている。

 EU域内では2月下旬以降、感染が急拡大。当初はイタリアに感染者が集中していたが、EU内は国境を越えた人の移動が原則自由なこともあり、スペインやフランスなど近隣国を中心に感染が広がり、深刻な状況になっている。感染を少しでも食い止めるため、学校の閉鎖や飲食店の営業中止にとどまらず、国民の外出自体を制限するなど市民生活に大きな影響が出る措置をとる国が増えている。(ブリュッセル=津阪直樹)