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 新型コロナウイルス感染症に関し、首相が「緊急事態」を宣言できる改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が成立した。だが、もともとの特措法制定時に議論の中核にいて、今も政府の専門家会議に名を連ねる岡部信彦・川崎市健康安全研究所長(73)は現時点での宣言に極めて否定的だ。なぜか。現状の課題とともに聞いた。

日本はくすぶり状態

 ――特措法改正で、新型コロナでも首相が「緊急事態」を宣言できるようになりました。

 「『法律ができあがったから、この病気ですぐ宣言しよう』ということには反対です。宣言は伝家の宝刀であって、そんなに簡単に抜くようなものではありません」

 ――2012年施行の元の特措法制定に向けて議論をまとめられた立場ですが、なぜですか。

 「新型コロナはそこまでのものではないと考えているからです。新型インフル等特措法に『等(とう)』を入れることには私も強く賛成しました。新型インフルだけでなく、新しくて重症で広がりやすい病気の場合にも、応用として使えるようにしておいた方がいいと考えたからです。しかし、そこで想定した新感染症は、感染症法での1類感染症(エボラ出血熱など)並みの極めて危険なものです」

 「緊急事態宣言を出せば、私権制限などで対策の幅が広がる半面、社会の日常的な活動を止めてしまうと副作用も大きくなります。致死率が5%、10%を超える1類感染症並みであればやむを得ませんが、新型コロナは指定感染症で2類相当とされました」

 ――しかし、世界で患者が急増し、イタリアなどは致死率も相当高く見えます。

 「感染者数の増加を見ると多くの人が『自分もかかるのではないか』と不安になりますが、退院した人が増えていることにも目を向けてほしいのです。致死率を考える際は、感染しても症状が出ない人やごく軽く済む人もいることを計算に入れる必要があります」

 「私は医療体制がある程度保た…

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